NG(こんなのも考えた)

《NG(こんなのも考えた)》

「この黒猫がそんな悪さをするとは思えないよ」
「だからー!」

 言っても聞かない霖之助の態度に橙が激怒しそうになったとき。

ペロッ

「にゃぁ」
「おや、なにか食べかすが付いてただろうか」

 黒猫は霖之助の唇を一舐めし、満足そうに喉を鳴らす。
 霖之助にとってはそれがキスの一種だとは思えず、そのまま黒猫を撫で続けた。
 ワナワナと震える橙が大声で言った。


「ばっちぃいじゃない!!!」